【アリスタのコラム】埼玉のゆずのお話

コバリラボでも柚子が少し前に収穫できました。

元気が出るオレンジ色の食材で、ゆず湯は血行を良くして身体が温まり、かぼちゃはビタミンEやβカロテンが豊富なので肌や粘膜を丈夫にします。どちらも粘膜を強くし、感染症に対する抵抗力をつける効果がある為、冬にはありがたい食材ですね。

自然と共に生きてきた先人の知恵ってほんとうに素晴らしいといつも感謝します。

ところで埼玉の毛呂山（もろやま）の柚子が隠れた名産だって知ってましたか？
埼玉ってゆずの収穫ができるの？住人の私でも知らなかった柚子！
そんな柚子を今回クローズアップし、企画したのが雑誌『TURNS』。【柚子絞り体験と埼玉の柚子を愛でる会（地元の温泉付き）】のツアーがあることを知り「サイタマサンノユズ！」に心惹かれ参加してみることにしました。

TURNSは地方創生プロジェクトとして、2ヶ月おきに発行している雑誌です。
地方の文化・特産・地域としての名所や魅力などを紹介し、農業のある生活を取り上げ、移住者支援のイベントや交流会などを開催しています。

須井さんという、埼玉が大好きで、明るく元気な方が担当者として同行。埼玉県への移住支援をしている県職員もアテンドとして参加しています。普通の観光ツアーではないところが特徴で、埼玉の隠れた名産の柚子のすばらしさを紹介したい！という思いが伝わって来る企画でした。

のどかな山村の傾斜にたわわに実っている柚子。手入れをしないと高く伸びてしまい、収穫しにくくなってしまうそうです。

柚子と言えば高知県が全国のシェアの6割を占めていますが、実は埼玉の柚子が日本最古と言われているそうで、奈良時代に中国・朝鮮を経て投薬として渡来しました。
江戸時代に毛呂山で柚子の栽培が始まり、昭和初期に「桂木柚子」として関東の市場に広まったのだそう。

接ぎ木では無い実木のこのあたりの柚子は、香りも強くなんといっても果汁が多ことに驚きます。その柚子に目を付けたのが「ときがわブルワリー」の小堀さん。

元々クラフトビールを作りたくて、毛呂山の隣町、都幾川にある集落の保育園跡地を買い取り工場にしました。移住してみた小堀さんは気づきます。このあたりの柚子のクオリティーがとても良いことに！
実木の柚子は種から育てると収穫するまでに15年以上かかりますが、既に柚子がたくさん育っているにも関わらず活用されていない事を知り、本来やりたかったビール作りを辞め、柚子ジュース作りをスタートしました。

小堀さんもTURNS組。都会からこの地に移り住んだ一人です。柚子山を一回りしながら地域の特性を説明してくださいます。楽しそうに柚子をもいでは参加者に投げていました。

絞り始めるとあたり一面ゆずの良い香が漂い始めました。

農産物はすぐ結果が出るわけではなく、一度絶やすと再生が難しい柚子。試行錯誤の末少しずつ埼玉の柚子が広まって、小堀さんのおかげで生産農家が増え定着しているそうです。

TURNSの須井さんのこの嬉しそうなワンショット！手絞りならの醍醐味。柚子の果汁を浴びながらの圧搾作業です。

搾りたての柚子ジュースと地元の天然水で作ったソーダ割は優しい刺激でほわっとゆずが香ります。ちいさなお子さんでもおいしく飲めますよ。ビン詰めされ販売もされています。
ストレートの柚子ジュース・柚子はちみつウォーター・牛乳と混ぜて（柚子のペクチンと反応して、ヨーグルトドリンクのようになります）と、搾りたてのフレッシュジュースでアラカルトを楽しみました。

これだけの量をわずか2時間かからずみんなで搾りましたが、さわやかな疲労感です。
柚子の皮を再利用できないか考えているそうです。乾燥した皮を畑にまくと害虫防止になるそうで、近隣の有機農家では実用中。

凝り性の小堀さん。こんな可愛いエスプレッソマシーンまで揃えてバリスタ実演。カプチーノは絶品でした。

「やけたよ～」と都内からTURNSしたネギ農家さんの差し入れ焼きネギ！甘くとろとろです。畑から摂って来たばかりの泥付きを焚火で焼き、皮をむけば真っ白なネギが現れます。アツアツをまるかじり。

ケータリングユニット「のっく」さんのランチがまた最高においしい！全てに柚子を使った柚子尽くしオーガニック料理をいただきました。

最近このようなイベントに参加することがありますが、日本を見直すと、ほんとにまだまだ素晴らしい産物や、産業、文化が埋もれていて、勿体ないと思うのです。
コバリラボでは日本の素晴らしい文化や、産業、技術など伝承とか継承とか堅苦しくなく、また新しい感性で少しずつご紹介してい行こうとしています。

それにはやはりモノ・コトに対する愛に溢れないといけないんだ！と埼玉愛に溢れている須井さんを見ていて思うのです。 今年の冬至、柚子湯にしますか？絞った柚子にはちみつを入れホットドリンクにしますか？それとも柚子サワーにして一杯でしょうか？思い思いの冬至を過ごし、忙しい年末に備え柚子で癒されてくださいね。

今日は柚子の香がするコバリラボです。